スーパーマリオが脳に良い!?

一般的に、女性より男性のほうが定年後にボケやすいといわれています。

それはなぜなのでしょうか。

私は、男女の生き方の違いに原因があるのではないかと考えています。

個人差はもちろんありますが、男性は長年仕事一筋。定年まではいいのですが、

仕事を辞めると生きがいや人生の目標をなくしてしまいがち。

また、生活の中で周りの人と交流する機会もぐっと減ってしまうのです。一方、

女性の生き方は仕事をはじめ、育児、家事、趣味、友人付き合いなど多チャンネル。

年齢を重ねてからも、近所付き合いをしたり流行の健康法を実践したりと、

アンテナを張り巡らせています。

これが、仕事で働かせる以外の脳の様々な部分を使うことになり、

結果としてボケにくくなっているのです。

脳は「あれがしたい・これがしたい」という欲求や、

新しいことにチャレンジする前向きな気持ちが大好物。

ネガティブな考え方や無関心は脳にいい影響を与えません。

苦手なことにこそチャレンジする価値があるのです。

社会一般に定年はあっても、脳に定年はありません。

それどころか、50歳から成長する脳があるのです。

年をとると、どうしても物忘れが増えてきます。

思い出せないことが頻繁にあると、

もう自分の脳は衰えはじめてしまったのではないか、

そう考える人も多いかもしれません。

しかし、脳のすべてが衰えるわけではありません。

たしかに、記憶に関わる脳の部分「海馬」は、

40代後半から老化がはじまるといわれています。

実際に認知症の患者さんは症状が進行すると海馬が委縮しています。

一方、使い込んで成長した海馬を持つ人は記憶力がよい傾向にあります。

ただ、記憶は海馬だけのものではありません。

私たちの脳には「超脳野」と呼ばれる場所があります。

超脳野は「超前頭野」「超側頭野」「超頭頂野」の3つで、

その名の通り、頭の前方、側面、頭頂部に位置しています。

これらの超脳野は、脳の司令塔のような役割を果たしており、

非常に複雑な情報処理を担当しています。

超前頭野は、実行力や判断力を担う場所。

超側頭野は記憶力や知識力を担い、超頭頂野は分析力や理解力を担っています。

この中で、50歳を過ぎてから成長のピークを迎えるのが超前頭野です。

先ほども海馬の例を挙げて、

年齢とともに萎縮する脳の場所があることは説明しましたが、

この超前頭野は、85歳を超えた高齢者でも、萎縮があまり見られない部分。

この部分を発達させることこそが、

90歳、100歳まで脳を成長させることに繋がるのです。

また、超頭頂野は動物にはなく、人間だけが持つ脳です。

ほかの2つの超脳野は、動物にもあるものの、

どちらも人間ほどの発達は見られません。

超脳野を鍛えることでより人間らしさを磨くことができるのかもしれませんね。

ちなみに、2018年5月30日放送のホンマでっか?!TVの中で脳科学の澤口先生が

高齢者の脳に良いのは「スーパーマリオ」だと言っていましたよね。